2023/11/25
【設計事務所のデザインコラム】#23アルネ・ヤコブセンは今何を思う?
https://www.fritzhansen.com/ja/inspiration/designers/arne-jacobsen
大好きなデザイナーの一人であるアルネ・ヤコブセン。
ヤコブセンと言ったら….有名な家具が多くある。
アントチェア、セブンチェア、エッグチェア、スワンチェア・・・今でもデザイン業界の第1線で活躍する家具を多く輩出してる。
ヤコブセンの特徴は建築家でありながら全てをデザインするまさにクリエイターであり、トータルデザイナーな印象が強い。
もし、今の時代にヤコブセンがいたら何を思うんだろう?
今回は常にパイプをくわえて堅物というイメージがあるアルネ・ヤコブセンについてのお話。
まずは少しだけ紐解くと・・・
1902年にデンマークのコペンハーゲンで生まれる。
当初画家を目指していたが父親に反対される。そして父親に反抗して客船の旅客係として働き始めたが船酔いを克服できず、すぐに辞めている。
その後、母親や友人の勧めもあり、絵の才能を建築に活かしたらと言われ、1924年にデンマーク王立芸術アカデミーに入学した。
1927年に卒業後、マリーという人と1回目の結婚をして、奥さんの紹介で、
「ポール・ヘニングセン」と知り合う。
ポールヘニングセンはまた違う機会で話をしようと思うけど、
ルイスポールセンから出ているPH系のデザイナーで超有名だよねぇ。
有名人はつながるんですよねぇ
ちなみに1900年といえば日本は明治です。
その後有名建築やコンペで入選するなど活躍していくのですが、
1940年ごろにナチスにより占領されるとスウェーデンに亡命して
この間建築は一旦休憩します。
ちなみに一緒に亡命したのが、ボーエ・モーエンセン。
一回り年下のモーエンセンと付き合いがあるのもなにか運命を感じますよね
第2次世界大戦が終わるとデンマークに戻ってきて、
また活躍しだします。
1952年 50歳の時に有名な「アントチェア」を生み出し、
その後「セブンチェア」「エッグチェア」「スワンチェア」など
今でも有名で取り扱いが多いプロダクトを生んでいる。
1971年 69歳で生涯を終える。
今まで簡単な生い立ちを話したけど、簡潔な小ネタを少しだけ。
ヤコブセンは所員にその人の家族を養うのだから昼夜問わず、働けと言ってたらしいです。そして納得するまでOKは出さない。とのことです。
一見嫌なボスのような感じですが、これだけ世界に通用している建築物やプロダクトをつくったと考えると、当然と言えば当然かなと思います。
僕の知る限り、スマートに仕事をこなすクリエイターやデザイナーはいない。それだけ何かを生むこと、そしてそれが世界で注目されるということは、内情はかなりバタバタしていると思う。良いとは言えないけど同意はできるかなぁ。
これは名言というか迷言かなぁ。
ヤコブセンが亡命から戻ってきたとき、デンマークの事務所では所員がなんと仕事を続けていたと・・・
それを知って驚いて言った言葉がこれです。
ただただ冗談であってほしいですねぇ
アントチェアは3本脚なのですがメーカーから安全のため4本脚にしないかと言われたんですが、頑なに断ってました。
そこで言った一言がこれです。
こだわりが強い故の発言ですねぇ
一緒に働きたくはないかもしれないけど、このこだわりや挑戦し続ける心はすごいなぁって思う。そして建築だけじゃなく、家具やドアノブなどディテールもしっかりデザインする辺りは、さすがと言わざるをえない。
本来デザインの原点はこういうところにあるのだろう。
分業、効率化という言葉に惑わされず、自分の頭の中を表現しつづけること。これはデザイナーの根源だと思うかなぁ。
まず、分煙、禁煙に猛反対するだろう。
電子タバコを吸っているイメージはわかない。
もしかしてシーシャにはまるのかも・・・
自分の行動範囲にシーシャーバーを造り続けるのではないかなぁ。
労働基準法に反発するだろう。
「こんな時間制限で良いものが造れるわけがない!」って。
ただ一部の熱血系所員によってやっぱり成功を納める気がする。
こだわり強いからねぇ
分業で進める建築業界に異議を唱えるだろう。
なぜ細かいところまで全てデザインしないのか?と・・・
ただもしかしたら分業によって生まれた専門性の高い人たちに感銘を受けて、この仕組みを取り入れるかも。
そしたらヤコブセンは建築じゃなくってプロダクトデザインに走る気がする。細かく、こだわりが強いところに法律の縛りがあることを嫌いそうだから・・・
TikTokでダンスは踊らないだろう。
SNS自体もやるかどうか・・・
やるとしたら「今日のシーシャ」「今日のお花」「今日のサウナ」だろう。
北欧でサウナ好きそうだし、自然が好きだし、パイプも好きだから。
アルネ・ヤコブセンは知らないけど、孫のトビヤス・ヤコブセンに会った時に、なんて陽気な人なんだと思ったことがある。
似ているかどうかわからないけど、心の中は「陽キャ」だったのかもしれない。陽キャで今でも愛されるすばらしい家具を造っていたヤコブセンはやっぱりレジェンドだなぁって思う。
全てのものをデザインしながら、ディテールまで妥協しない。
この人の本当の顔は「繊細で責任感ある人」なんじゃないかなぁ。
今回は私の好きなデザイナー「アルネ・ヤコブセン」についてのお話。
ありがとうございました。
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