2023/11/09
【設計事務所のデザインコラム】#8ワンポイントデザインで素敵な空間にするために(ディテール)
今回はワンポイントデザイン(小さなデザインやこだわり)だけで、素敵な空間に変わる方法というのをお話しようかと思います。
その前に・・・
先日noteですごく参考になった記事があって、自分自身へのデザインの振り返りを兼ねて、今後は「だである調」で記事を書こうと思います・・・書こうと思う。(下記の記事参照してください)
https://note.com/fumiken/n/n8420da79d745
さて、空間デザインで人々が求めているものは何か?
昔は「モノ」を消費する時代であり、近年までは「コト」を生むことが重要とされてきたけど、最近僕が思うのは「コト」の先の「エモい」を醸し出すことじゃないかなぁって思う。
ちなみに「エモい」の定義付けを調べてみた。
エモいは「emotional(エモーショナル)」(英語)が由来である日本のスラング(俗語)かつ若者言葉。
「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
要は「すごい!」とか「かわいい!」の「!」=ビックリマークが生まれることだと思う。
情報過多の時代において、人が驚くって昔に比べたら少なくなってるんじゃないかなぁって。スマホで見る平面的な画像や動画で物事を判断する身体になってきてるんじゃないかなぁって思うと、空間をデザインするときってダイナミックな構造にしてみたり、空間全体で表現することが、最大限のビックリマークを生むことだろう。
ただ人間特有の「小さいもの好き」、「繊細なものが好き」という意識は残っていると思っていて、さらになんだかんだで「かわいいもの」が好きっていうことも根強い気がするんだよなぁ。
住宅・店舗問わず、空間全体をデザインすることができない場合も多い。もちろんリノベや店舗改装など制約がある中で、「エモい」を表現するには小さな「モノ」にこだわると良いんじゃないかなぁって思う。
「モノ」→「コト」→「エモ」の移り変わりを感じるが、これって切り離せなくって、モノにこだわりコトを生み出し、エモを表現する。そしてエモの要としてモノがある。
要は繰り返し。
「モノ」→「コト」→「エモ」→「モノ」→「コト」→
タオル掛けフック
例えばバスルームにて、タオルをかけるフックを少しだけこだわってみる。
もしかしたらタオルを掛けづらいかもしれない。だけどかわいらしい雑貨的なフックをつけるだけで、この空間の主役になれる。
全体に様々なインテリアデザインができない時は、こういうワンポイントをこだわると良いかなぁって。「どこでみつけてくるの?」ってよく聞かれるけど、建築の工事だから、建築のメーカーで探そうとしないことが重要。
例えば雑貨屋さんやアンティークショップ、海岸に転がっている流木などでもよい。形状がタオルを掛けれそうなものなら何でも良いということだ。
シンプルな空間こそ、こういう「違和感」のある「モノ」を配置することでエモさを発揮し、それがクライアント特有の「ヌケ感」になる。
シューズクロークのカーテンフックを手の形に
扉を付けずに色のあるドレープカーテンで空間を仕切ることは、昨今多いと思うけど、さらにカーテンフックにもこだわると、ヌケ感が増すと思う。
「かわいい+シンプル」を表現したい時にこういう小さなディテールが重要になるので、雑貨屋さんやアンティークショップでこういうものに目を留めることも、日常が愉しくなる方法のひとつじゃないかなぁって思う。
BOSCHの食洗器
これは今までのかわいいプロダクトとは少し違って、BOSCHの食洗機なんだけど、タイマーの時間が床に映し出される仕掛けになっている。
ホントにちょっとしたことなんだけど、このちょっとしたことに「!」を持ってくるあたりはさすがだなぁって思う。
始めてみる人の8割は文字の映った床をこする・・気がする(個人的統計)
今までの話のように、小さなデザインで人の感情を揺さぶることは無数にある。しかもコストがあまりかからない、そしてマネしやすい。
住んでいる家やオフィス、店舗のアレンジの一つとして、こういうことをやっていくことが、日常を愉しくするひとつの方法だと思うし、デザインの役割はそこにあると思う。
そして設計者、インテリアデザイナーにおいても、こういうソフトな面のディテールをしっかりやることが、日本のインテリア産業の発展につながると 思う・・・思いたい・・・
今回はここまで。
ありがとうございました。
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