2023/11/10
【設計事務所のデザインコラム】#9キッチンで一番重要なモノ
今回はキッチンの見た目のお話。
住宅設計において、キッチンの重要度はとても高いく、機能面もさることながら、意匠上も重要。
その中で、今回はキッチンの「デザイン:意匠」に特化した内容を書きたいなって思う。
結論から言うと「レンジフード」がキッチンデザインで一番重要だと思う。
昔のキッチンの画像などを見ていると、どこに古さを感じるか・・・
それはレンジフードじゃないかなぁって。
既製品のキッチンに関しても同じことが言えて、レンジフードのデザイン性によって、いわゆる「かっこいい」と「普通」に分けられると思う。
ロイヤルフラット 引用:タカラスタンダードHPより
この写真はタカラさんのキッチンを引用しているが、どこのメーカーでもこの形は展開している。価格や機能性は別にして意匠性だけを考えた場合、どこに目がいくかというと「レンジフード」だと思う。「大きさ」「形」「色」の主張が強い。
ここをテコ入れしてあげるだけでかなり変わる。
レミュー 引用:タカラスタンダードHPより
壁付けの場合、存在を消すために面材と合わせる、逆に意匠性の高いものを選ぶなどで改善できる。これは好みによってかわるが、フードの重要性がよくわかるかなぁって。
ペニンシュラキッチンにセンターフード
例えばこのキッチンは片側壁付けキッチン、いわゆるペニンシュラキッチンだが、通常レンジフードがサイドフードを選ぶところを、あえてセンターフードにしている。これは壁とフードの間に空間を造って「軽さ」を醸し出すためだ。
基本的な考え方として、天井に吊るされるものは「軽さ」「華奢さ」を意識するとどんな空間でも似合う。「ぼてっ」としたものを選ぶ場合は、何等かしらの意図がある時だろう。ちなみにこのキッチンは既製品キッチンだが腰壁をシンプルにすることで大きく見た目が変わる。
リフトアップのレンジフード
天井に「軽さ」を追求すると、もはやレンジフードが邪魔になる。そういう時はリフトアップのレンジフードを検討することがよいだろう。
ただ、経験上の話だが、上昇気流が立ちやすいガスコンロの場合はうまく排気してくれない場合があるので、リフトアップの場合はIHをお勧めする。
天井を軽くするリフトアップフード
リフトアップを採用すると、インテリアの幅がかなり広がるかなぁってね。
写真のように印象的な照明を連続的に並べることができ、デザインとしてかなりきれいになったり、上部が吹抜の時に最適だろう。
ジリオ【アリアフィーナ】のレンジフード
最後に皆さんが真似しやすいレンジフードとして、アリアフィーナのジリオというレンジフードがある。
実際に採用したクライアントから聞いた話だが、デザインが良いことはもちろんだが、「かなり静かでTVの音が聞こえる」とのことだった。
出来ないこととしてはコンロと連動してレンジフードが動くということはできない。ここがクリアに出来るのであれば、レンジフードが見えるプランニングの場合はおすすめだ。
ちなみに排気量(よく吸う)に関して大丈夫かという質問もあるが、排気量に関してはレンジフードの性能もあるが、屋外までのダクトの経路が重要だ。何回も折れ曲がっていたりとか、ダクト距離が長かったりとか、そっちのほうが排気の損失が大きい。
(店舗の場合はこのあたりをかなり重要視するかなぁ)
オーダーキッチンに憧れがある人の大半はミーレなどの海外製食洗機がいれたい、コンロにこだわりたいという想いがある。最近ではLIXILやPanasonicでもグレード次第ではこういったものが入れれるので、あとはレンジフードをこだわれば正直オーダーキッチンに負けないデザイン性を確保できると思う。
「妥協」ではなく「選択」していくことが大切。
ちなみにcdwの場合はオーダーキッチンが一番多く、次に既製品キッチンにレンジフード変更が多い。
オーダーキッチンが多い理由は間取りと要望にあったキッチンの「フォルム:形」を重視するため、そもそも既製品では希望のフォルムが無い場合が多いためだ。
何をこだわるかを整理してオーダーキッチンにするのか、メーカー品キッチンにするのかを選択していくのが良いかなぁと思う。そして意匠にこだわるなら「レンジフード」が1番、2番目は「水栓」という感じで思っていただけると良いかなぁって思う。
今回はここまで。
ありがとうございました。
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