A model【平屋】
住宅街の平屋新築計画。日当たりのよい家、平屋、プライバシーに配慮、庭で過ごしたい という要望をいただいた。南側に2階建て住宅が接近して建っており、平屋を希望するクライアントから日当たりの懸念をいただいていた。北側の安定した光を取り入れた設計も検討していたクライアントに対して、北側建物に大きな開口やバルコニーがある敷地状況から北側に抜ける設計をした場合、時間帯によっては視線を感じる可能性があると考え、南側に抜けることをベースに検討を始めた。光を取り入れるために大きな庭を構造躯体で囲うように設計しながら、南側境界付近に構造体で壁を建てた。LDKからの眺めや庭で過ごす時に隣地の建物があまり見えないように配慮することで、プライバシーはもちろん非日常空間を生み出した。
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また内外の床レベルをフラットにしてボーダレス空間を形成し、隣地付近の外壁の仕上げを意匠力のあるものにすることで
屋外デザインを室内に取り込んだ。
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光をLDKにしっかり入れるために勾配天井で計画し、軒高ラインより上部から光を取り入れた。自然光による明るさを室内にしっかり取り込みながら、全体のベースカラーをホワイトにし、ダイニング照明もホワイトのペンダントを吊るすことでスタイリッシュなインテリアを計画した。当初、クライアントからのヒアリングで、求めていることはあまりストレスのかからないリラックスした暮らしがしたいのだと思い、自由気ままに暮らすにはどうしたら良いかを考えた。高身長のご主人が日常の何気ないしぐさや癖を妨げる要因は小さなストレスになり、それが蓄積されて何気ないことでも気になる可能性がでてくるかもしれないと考え、ソファとダイニングを置いても普通に歩ける家具同士の距離感をつくり、ソファでくつろぎながら「伸び」をしても家具に接触しないようにするなど、人の潜在的な危険予測の思考を極力使わないように各部位の空間スケールを少しずつ大きくした。また光を取り入れるための勾配天井も構造を登り梁にすることで室内に梁をみない計画とし、圧迫感を無くしながらスタイリッシュなインテリアにするために構造面からもアプローチをかけた。
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敷地に対して建ぺい率がいっぱいだったため、書斎スペースを水回りにアプローチする動線の一角に設けた。
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中庭に面したエントランスは外部からの視線が気にならないため、大きな窓を設置し広がりを持たせた。天井の羽目板には特殊塗料を塗ることで、数年後風合いが出てくる木材の表情を新築時に実現させた。
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洗面室の配置上、壁に窓を計画することが困難だったため勾配天井にして天窓をつけ、部屋に自然光を落した。天井までの空間が広いために印象的な照明で意匠を整えた。
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敷地外からは生活スタイルがみえないこの平屋住宅は中庭から計画し、各部位の空間スケールを少しずつ広げ、ストレスのかからない自由気ままに暮らしてもらえる家となり、誰もがお手本とするような住宅となりました。
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【A model】