crossover
1931年にできた古ビル内のレトロなデザインであるこのビルの雰囲気が気に入り、約100㎡の貸事務所を借りてリノベーションをする計画。過去の経験を活かしつつ、新しい事業の立ち上げとこれからの発展を目指している美容系企業のオフィスデザイン。事業の転換期にあたるため、過去と未来、そして現在を建築デザインで表現しようと考えた。そして常に1点に立った時に過去と未来の境界に立って物事を考えるという場をつくる計画とした。
-
過去のデザインはこのビルのレトロ感を取り入れながら構造躯体を露出し、未来のデザインはホワイト系で統一したきれいな空間とした。そこの境界をトリックアートにより斜めに切ることで過去と未来を緩やかにつなぐ。立つ場所により見え方が変わるこのデザインはある1点の場所のみきれいに空間が分かれる。それが今ここに立つ「現在」という位置付けをしている。
-
-
-
-
-
-
「Do nothing」=何もしない。オフィスは仕事をするだけではない。何もしないということが最高の何かにつながると考え、
応接室の扉の横には「Do nothing」というディスプレイ照明をつけた。また会社名を変更するため、ロゴデザインも請け負っている。
-
-
オフィス家具も全てコーディネートしている。また1600×4200のテーブルも制作し、空間に寄せたデザインとしている。
-
-
応接室のデザインはビルの雰囲気に合うように框デザインを施しながら、シンプルな家具や照明で全体を整えている。
-
-
「新」と「旧」/「あっち」と「こっち」、言葉にすると明確な線が引かれる。だけどそこに立つ人は今までの生い立ちやキャリアという「旧」、これからの未来である「新」、両方とも自分のものであり頭の中では行き来する。常に初心を振り返る、大胆に新しいことを考える、それは常に「境界線」の上に立つこと。
今までの自分たちを大切にし、これからの未来を大胆にいく。「あっち」いっても「こっち」いっても同じ地球上と考えればどっちも同じ。眼で見える境界線、頭の中の境界線、自分の立つ位置を見極める空間。
-
「crossover」=クロスオーバー
※2つの分野にまたがること、文化などの混合、その結果の新しい文化形態