small change
工業地域での工場と住宅が並ぶエリアにおいて敷地面積約45坪の土地での住宅計画。築18年ほどの戸建住宅をリノベーションするか建て替えをするかでスタートした計画である。
耐震性や耐火性に優れた住まいだったが、光が入りづらく、また床下断熱もなかったため寒さを感じるなかで、光の取り入れと断熱性を重要視した半2世帯を計画したいとご要望をいただいた。
リノベーション案、建て替え案の両方を検討していく中で、建て替えたとしても建物坪数が今の建物とあまり変わらないため、ダイナミックな事ではなく、ほんの少しだけの「変化」により、人の動きを変えて新しい楽しみを見つけてくれたらと考えはじめた。
南側道路に面しているため視線が気になり窓のレースも開けられないこの状況はどれだけ窓を大きくしても変わらない。ならばほんの少しだけ庭をつくりそこを囲ってしまえば気にせず屋外に出れる。
玄関もほんの少しだけリビングに食い込ませることができれば広がりが生まれる。そんなことを考えながらリノベ案、建て替え案を提案し、最終的に建て替えで進むことになった。
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準防火地域のため開口の制約があるが、少しだけ南側に吹抜をつくり上部からの光を引き込み、少しだけキッチンの天井を折り上げて天窓をつくることで明るさと風のヌケを考えた。
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半2世帯で生活リズムが違う家族が生活するため2階はフリースペース、ロフトをつくることで居場所をつくり、吹抜を介して1階と緩やかにつなぎ疎外感を無くしていく。
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坪数は以前の建物とあまり変わらないが、設計による小さな変化をちりばめることで視線が気になり庭に出れなかった生活が外でコーヒーを楽しめるようになり、LDKしか居場所がなかった家がくつろぎの場が増え、それぞれが好きな事をやれるように暮らしの幅を広げることを意識して計画した。
「小さな変化」がもたらす「小さな行動」の積み重ねが「小さな楽しみ」を生む家となった。
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「small change」