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一戸建て住宅のリノベーション計画。
おおよそ築30年ほどの木造平屋の住宅を受け継いだクライアントから、在宅勤務のできる空間、経年変化を楽しむ空間、自然とリビングに集まる暮らしを要望された。
コの字型の平屋で60坪ほどの面積があり、部屋を造ることは容易だが、スペースを有効利用して家全体を隅々まで活用する場合、部屋名を決めることが人の動作を制限してしまうのではないかと懸念した。
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例えば「自然と家族が集まる大きな空間」という主題の中で、「LDKを広くする」というアプローチも大切だが、リビングが1つという固定観念を外して、クライアント自身が行う動作をその時の気分でカテゴリー分け(分類)するようなデザインが良いのではないかと考えた。
その中で大きな空間を設計して自由に使うことは、何かの行為やシーンを造るための「道しるべ」が無いため、明確な意図が無ければ「ただ広い」になってしまうと思い、カテゴリー分け(分類)という考えをデザイン化していこうと考え、その手順としてはまず大きな空間を用意して、カテゴリーを視覚化できるようにシンボル的なデザインを加えることが必要と考えた。
メイン空間の天井を抜いて水平、垂直方向に広がりを持たせ、そこにシンボリックな箱型や四角型のデザインを用いた。
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LDKやパウダースペース、ワークスペースが一体となった同一空間にゲートを配置することで気持ちの切り替えをデザインしている。これは「くつろぐ」と「作業する」という項目をカテゴリー分けしている。
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キッチンやリビングソファ部のスペースにはカテゴリー分けのために箱型を計画。
壁と天井と仕上げにより完全に箱型ではない「未完成な箱」を表現している。これはこの家を受け継いだこと、リノベーションによって再生したことから、今後も空間を完成させず変化を止めないということをデザイン化した。
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キッチン作業カウンター上の照明は箱型やゲートなどのシンブルデザインと合わせて長方形のライン照明を用いた。これは垂直方向に広がる大きな空間の間延びを防ぐために、面(メン)である天井を用いるのではなく、その輪郭をデザインするためのもので、開放感を削ぐことなく、視線の行き先をコントロールさせている。
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もともと仏間のある和室は畳コーナーと再度仏間を計画。くつろぐ姿勢の寝転がる、椅子に座る、ソファに腰掛けるという3つの動作を2つのリビングで実現させている。
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【 BEFORE ▸ AFTER 】
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もともと和室で構造的に抜けない柱を利用した寝室を提案した。
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【 BEFORE ▸ AFTER 】
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リノベーションは単に内装を変えるだけではなく、新築に負けないくらいライフスタイルを変化させることを主軸に置いた。
メインLDKの変化が下記写真である。
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【 BEFORE ▸ AFTER 】
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もともと「うだつ」が上がっている(天窓に近いハイサイドライト)造りのため、上部から光を取り入れることができる場所にはパウダールームを設置した。
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水廻りも全面改装している。
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既存の構造柱を意匠として露出させ、経年変化を楽しむ。
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グレージュとR壁を利用して強すぎないインテリアで空間を整えた。
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くつろぎ方もスペースの用途もタイミングによって変化する
大きな空間で自分自身が明確に分類することは難しいかもしれないが、
それを手助けするようなシンボリックなデザインがあれば、
名前のない空間にその瞬間だけ名前を付けることができる
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カテゴリー分け(分類)を手助けするデザイン
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